分けるは分かる
2017/06/12 Loading

全体を要素にブレークダウンすることで本質に迫る


適切に問題が設定できたら、次は、どこで問題が発生しているか(改善感度の高いポイントはどこか)を突き詰めるために “Where”の問いを投げかけ、分析を進めます。そして、さらに“Why?”や“How?”を検討することで、最終的なアクションにつなげます。

この時に大事なのが、漠然とした問題をそのまま漠然と捉えるのではなく、適切に分解を行い、問題の最も肝となる部分を特定することです。 「分解」という言葉をよく見ると面白いことに気づきます。 分という字は「わける」、解という字は「ときほぐす」を意味します。そして同時に、両方の字には「わかる」という読み方、意味もあるのです。 つまり、古い時代から、分解をすることこそが、複雑な事象の本質を理解する上で重要だということを先人たちは知っていたのです。 分解を効率的に行う際に有効な考え方がMECE(Mutually Exclusive,Collectively Exhaustiveの略。ミーシーと呼ぶ)です。 これは、「モレなく、ダブりなく」(あるいは「モレなしダブりなし」)という意味です。

下図からも想像がつくように、MECEの分解を心がけると、どこに問題の重要ポイントがあるかなどを正確に分析・把握しやすくなります。 一方で、MECEは概念こそ単純で平易なのですが、いざ何かをMECEで分解してみようとすると、意外に難しいものです。


ベンチャー企業が人事制度を新たに作るシーンを考えてみます。 人事制度をMECEに分解するとどうなるでしょうか。一例として以下のような分解があるでしょう。

【採用・勤務・異動/転勤・研修/能力開発・給与・評価/報酬】

一見、かなりの網羅感はあるように思えます。 しかしよくよく見ると、「昇進/昇格」「福利厚生」「退出」などの重要な要素が抜けているのがわかります。 これではしっかりとした制度を策定することができませんし、全体のバランスをチェックすることもできません。

最近では、消費者や住民を「男性/女性」に分けることすらMECEとはいえません。いわゆるLGBTの存在が重みを増してきたからです。 冒頭にも触れたように、的確に分けることはわかることにつながります。しかし、実はそれは意外に難しいという点は意識してください。


ワンモア・アドバイス
モレとダブりを比べると、モレを極力減らすことの方が重要です。 なぜなら、ダブりは多少業務効率が落ちる程度の影響しかないことが多いのですが、 いったん何かを見落としてモレが生じると、それをさらにブレークダウンして検討することができないからです。
たとえば、BtoBの企業がゼロベースで成長機会を見極めようとして潜在顧客を分析する際に、 「企業/公的機関/NPO」と分けてしまい、「個人」を見落としてしまうと、それをさらに深掘りして分解することはできません。
その結果、本来可能だったかもしれないBtoCビジネスの機会を失ってしまうのです。
モレを防ぐ手っ取り早い方法は「その他」という項目を入れることです。 そうすれば理論上、モレはなくなります。しかし、「その他」の比率が数十%にものぼるようなら、 それもまた好ましいことではありません。「その他」の項目は、重要な要素はしっかり書き出した後にする方が実務的には有効です。