問題は、誰をバスに乗せるかだ
2017/06/12 Loading

~採用こそが組織のさまざまな要素に影響を与える~


『ビジョナリー・カンパニー2』などの著書で有名なジム・コリンズは、 採用を「バスに乗せる」と表現し、それこそが組織の命運を決めると主張しました。 「誰をバスに乗せるか」ということが特に影響を与えるのは組織文化です。

組織文化は人々の行動を大きく規定する上に、顧客への提供価値にも間接的に影響を与える非常に重要な要素です。 好ましくない組織文化を持つ企業が長年にわたって発展した例はほとんど存在しません。

あるベンチャー企業の採用方針の例をご紹介しましょう。 同社は、新卒採用は行わずに、中途採用で人材を集める方針を貫いています。 かつては人材が不足していたため、スキルを重視し、即戦力になる人材を優先して採用していました。 ところが、そうした人々の中には、優秀ではあるものの、 必ずしもその会社が大事にしたい価値観や文化に合致しない人が少なからず存在しました。

そうした人々は短期的には確かに結果を出すのですが、結局は居心地が悪くなってしまいますし、 時として不要な軋轢を生んでしまい、組織の雰囲気を悪くします。 そうしたこともあって、同社は、ある程度の成長を果たした後は、 即戦力であるということ以上に、会社の価値観に合致することを優先して採用を行うことに方向転換したのです。

もちろんスキルを見ないわけではありません。しかし、面接時点では多少不足の箇所があっても、伸びしろがあると見込まれるならば採用する という方針にしたのです。その方が、長い目で見た時の投資対効果が高いという判断です。

一方で、あまり現在の価値観や組織文化に合う人間ばかりを採用すると、 組織としての多様性が失われ、環境変化に対応できない可能性が高まる危険性があります。

これを避けるてっとり早い方法は、「変化はあたりまえ」「多様性を認める」ということを組織文化に埋め込んでしまうことです。 変化させずに残すものと、変化させるものを適切に切り分けることは非常に大切なのです。