30年成長する企業はメカニズムがある
2017/06/12 Loading

~属人的な差配だけでは成長の限界に到達してしまう~


これは、マイクロソフトの創業者として名高いビル・ゲイツ氏の言葉です。彼の主張を端的に説明すると以下のようになります。

「ベンチャー企業が成長するのは当たり前のことだ。極論すれば、すぐれた仕組みがなくても、リーダーの属人的な頑張りでなんとかなる。 しかし、30年、さらにはより長期にわたって成長を続ける企業には、それを支える、すぐれた仕組みやメカニズムが存在する」

このメカニズムは、具体的には、本章の前書きで触れた組織構造であったり、人事システム、組織文化などです。 また、それらのベースとなる経営理念(経営哲学)もここに含まれます。 さらにいえば、管理会計の仕組みや、パートナーを引きつける戦略上の特性などもここに含まれます。

たとえばリクルートは1960年創業の会社ですが、1988年に起きたリクルート事件で創業者の江副浩正氏が退任した後も、 かつて以上に業容を拡大し、また「人材輩出企業」として優秀な人材を世に送り続けています。

その背景には、独自の組織文化や組織運営の仕組みがあります。 キーワードはチャレンジ精神とリスクテイク、自己成長意欲です。 新しいことに挑戦することがよしとされ、それを後押しするような社内公募の制度なども充実しています。 数字は厳しく見られるものの、結果を出せばどんどん新しいことができます。

暗黙の了解として存在する「38歳定年制」も、組織の新陳代謝を促しています。 また、OB、OGといい関係を築き、時にはビジネスパートナーとなることで、 新ビジネス創出が加速されるという独特の生態系(エコシステム)を築いている点も見逃せません。

こうした仕組みは、長年核となるリジッドな要素と、環境変化に合わせて どんどん進化するフレキシブルな要素を巧みなバランスで持つことが重要です。

前者の代表が、創業者の意思を反映した経営理念であり、 後者の代表がその時々の採用方針や評価の仕組みなどです。 この絶妙の組み合わせが、組織の継続的成長を支えるメカニズムとなるのです。