顧客は神様ではない
2017/06/12 Loading

〜顧客をビジネスパートナーとして正しく位置づける〜


日本には昔から「お客様は神様です」という言い方がありました。 海外企業でも、「顧客はつねに正しい」というフレーズをオフィスに張り出している企業もあります。しかし、顧客に振り回されすぎることは、 さまざまな不都合を招きますし、Basic28で解説したイノベーションのジレンマを招き、企業を衰退にむかわせることすらあります。

こうした陥穽を避け、顧客と適度な距離感をとり、 場合によっては顧客の選別も行いながら、トータルとしての利益を最大化しようというのがこのフレーズの趣旨です。

顧客を無批判・無制限に受け入れ、丁寧に扱いすぎることのデメリットには以下があります。


1.対応にコストがかかりすぎる
特に昨今はモンスター顧客に代表されるように、手のかかる顧客が増えています。そうした顧客に過度に手間暇をかけることは、コスト高 を招いてしまいます。また、好ましくない顧客への対応によって従業員満足が下がると、それがさらに顧客満足低下につながりかねません。

2.顧客満足やブランドイメージを毀損しかねない
商材のタイプにもよりますが、本来自社製品・サービスを使ってほしい顧客層とは異なる顧客が増えてしまうと、他の顧客の満足度が下 がったり(例:高級旅館)、ブランドのイメージが下がったりしてしまいます(例:オシャレなファッションブランド)。

3.顧客のためにならない
たとえば大学教育は、本来は顧客である学生の知識やスキルを高めることが目的のはずです。一方で学生は、楽をしたい、手を抜きた いという気持ちも持つものです。安易にそうした要求に迎合してしまうと(例:テストは無しで簡単なレポートですませてしまう)、肝心の知識 やスキルの向上が図れなくなってしまいます。これは長い目で見て顧客のためにもなりませんし、自社の競争力をも失わせてしまいます。

企業にキャッシュをもたらすのは顧客ですから、ぞんざいに扱うことは厳禁です。 一方で、無批判、無制限に彼らを受け入れ、その要望に応えることも、上記のようなデメリットを生じさせます。

適切なバランスをとることは容易ではありませんが、 企業としての利益最大化という観点はつねに持っておく必要があります。