いちいち測る、その2
2017/07/19 Loading

~数字にすることで適切な手を打つ~


管理会計のことをコントロール・システムとも呼びます。 物事を正しい方向に導き、かつそのための動機づけを行うことを意識した呼び方です。 その基本がこの言葉です。

多少言い換えると、数字で測定できないものには、適切なアクションを講じることができない、あるいは難しいということです。

財務数字と直結するような、もともと数字をとりやすい要素は、 当然ながらすぐに捕捉できる体制を敷くことが必要です。たとえば売掛金の回収期間や毎月の経費などです。

一方で、組織文化のように、数値化しにくそうなものもあります。 しかし、こうした漠としたものでも、カルチャーサーベイなどを行い、 従業員にアンケートを行えば、実情は把握できるものです。 アンケートは一人ひとりのレベルでは主観にすぎませんが、ある程度の数が集まれば、 客観性が増し、十分にコントロールできるようになるのです。 もし、アンケートの結果、「個々人の能力開発への取り組みが強い」という項目の点数が他項目よりも明確に低ければ、 会社として魅力的な能力開発プログラムを提供したり、 MBO(目標管理)の際に具体的な能力開発目標についても話し合うことを奨励したりすることで、 能力開発に対する意識を高めることは可能でしょう。 そしてそれを毎年定点観測していけば、どのような施策が効果的だったかの判断もしやすくなるのです。 とはいえ、測定が難しい要素も存在します。日本の企業では3S(整理、整頓、清潔)が強調されることが多いのですが、 職場のきれいさを納得のいく形で数値化するのは必ずしも容易ではありません。

どこまで数値化にこだわるのかは、費用対効果次第です。 しかし、定性情報だけでもある程度コントロールできるものと、やはり工夫してでも数値化すべきものの見きわめは意識したいものです。

KPIは奇抜なものを考える以上に、経営にとって大事なものをしっかり定点観測し、その時系列変化を追うことが有効です。 たとえば顧客満足度を毎月測定していれば、ある月にそれが急に下がれば、何かしらの問題が生じており、 アクションが必要なことがすぐにわかるのです。