企業価値の最大化を図る
2017/07/19 Loading

前章のアカウンティング編、特に財務会計関連では、財務諸表の中でも損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)にフォーカスしました。 しかし、それらの数字も、多少意図的に変えることができるのはBasic73でも触れたとおりです。

それゆえ、P/LとB/Sだけを見ていたのでは、よほど注意をしないと、意思決定を誤ってしまいます。 では、何を見ればそうしたミスを避けることができるかというと、現金、キャッシュです。 キャッシュは基本的にごまかすことができないからです。

ファイナンスでは、キャッシュをベースに考えるということに加え、金銭の時間的価値とリスクというものを重視します。 極端にいえば、キャッシュフローの定義と金銭の時間的価値、そしてリスクが理解できれば、ファイナンスの基礎はある程度理解できたといえるのです。

しかし、これらの概念を正しく理解しようとすると、多少数学的な素養が必要になります。ここでつまずく方が少なくありません。

たとえば、ファイナンスの最も基本的なコンセプトであるNPV(Net Present Value : 正味現在価値)は、 キャッシュフロー、現在価値、リスクが反映された概念ですが、最初にΣ(シグマ)という記号が出てきます。

数字があまり得意ではない人にとっては、一瞬、ひるんでしまうでしょう。割引率というものがべき乗でかかってくるというのも、慣れるまではピンと来ないかもしれません。 しかし、ファイナンスは世界の共通語です。特に、東京株式市場やウォールストリートなどの金融市場や、投資銀行などの関係者は、これを前提に運営され、行動しています。

前章で、「会計がわからない=経営がわからないということだ」と書きましたが、 ファイナンスがわからない=金融について何も説明できません、世界で戦えません、といっているのと同じことなのです。

本章では、詳細な数式までは持ち出しませんが、ファイナンスのエッセンスはビジネスパーソンの必須項目でもありますので、 ぜひその意味をしっかりと理解していただければと思います。